コロナ禍を経て、訪日観光市場は新たな局面を迎えています。
なかでも中国からの観光客は、「量」だけでなく「質」の面でも、これまでとは異なる傾向が見られるようになりました。
中華圏に特化したデジタルマーケティング事業を展開する株式会社unbotは、激動する訪日インバウンド市場の最新動向を関連業界の皆様に継続してお届けしてまいります。
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▼目次
01.中国人訪日客数の推移
02.訪問目的と行動の変化:地方観光地の人気が上昇
03.消費傾向の変化:モノ消費からコト消費へ
04.まとめ
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01.中国人訪日客数の推移
▲中国人訪日客数の推移(2014〜2024):日本政府観光局(JNTO)公表の「訪日外客統計」よりunbotにて作成
中国人訪日客数はコロナ禍以前の水準に回復基調
●2014年から中国の急速な経済成長に伴う中国人の可処分所得の増加を背景に、中国人訪日旅行客数は毎年最高を記録し続け、2019年には約959万人に至った。
●その後、コロナ禍の影響で大きく減少も、海外団体旅行の解禁や日中間航空便の再開に合わせて、2023年から訪日客数が回復。2024年は698万人に。
●2025年1月には前年同月比+135.6%増の約98万人に達し、コロナ禍以前の訪日客数の水準へと回復が継続している。
02.訪問目的と行動の変化:地方観光地の人気が上昇
▲都道府県別外国人延べ宿泊者数(2024年1月~12月(速報値) )と2019年比及び前年比:観光庁公表の「外国人延べ宿泊者数」よりunbotにて作成
▲三大都市圏訪問率(2023年)、地方訪問率(2023年、上位10道県):観光庁公表の「訪日回数別の訪問地(中国)」よりunbotにて作成
地方観光地への関心が高まる
●これまで主流だった都市部での買い物中心の旅行から、地方志向の観光スタイルへシフト。
●宿泊者数の伸び率では、2019年比で石川県(+131.5%)、愛媛県(+107.4%)、福島県(+60.8%)などが目立ち、ゴールデンルート以外の地域にも関心が広がっている。
●中国人訪日客においては、訪日回数の増加とともに、東京・大阪といった主要都市の訪問率は低下し、福岡・沖縄・滋賀など地方エリアの訪問率が上昇傾向。
03.消費傾向の変化:モノ消費からコト消費へ
▲訪日中国人旅行者の動向比較(2019年vs 2024年):観光庁公表の「国籍・地域別にみる費目別訪日外国人旅行消費額」(2019年・2024年)よりunbotにて作成
旅行スタイルの変化
●総消費額は微減している一方で、支出の中身は大きく変化。
●「買い物代」が18.4%減少する一方、「宿泊費」「飲食費」「娯楽・サービス費」はいずれも増加しており、「体験」への消費意欲が高まっている。
●特に娯楽・サービス費は+37.0%と大幅に伸びており、「爆買い」から“体験・満足度重視”の旅行スタイルへとシフトしている。
04.まとめ
コロナ禍を経て、訪日中国人観光客の旅行スタイルは大きく変化しています。
2024年時点では、中国からの訪日旅行者は完全には回復していないものの、過去最高の訪日外客数(全体)を記録する中で、着実にその存在感を取り戻しています。
2025年には月間100万人突破が目前となっており、観光業界では再び中国市場に注目が集まっています。
特に「モノからコトへ」「都市から地方へ」という質的変化が今後のマーケティング戦略において重要なポイントとなるでしょう。
当社は、今後もより多くの訪日インバウンド市場の最新動向を発信してまいります。訪日旅行客向け施策を検討中の際には、ぜひお気軽にお問い合わせくださいませ。
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